生かされた意味に悩む

集中治療室を出て個室に移ってから自由に電話ができるようになった。

救急搬送されて手術が済むまでの長い時間を私に付き添った夫は、
その後の心労などもあり、体調は最悪の状態だった。

ほぼ寝たきりだった私は、寝たきりのベッドから朝昼晩夫に電話する毎日。

苦しい、辛い、食欲がない、一人が不安、、、、

などなど夫は私に訴え続ける。
自分の辛さばかりを訴え、私の体調を思いやる余裕もなさそう。

夫を励まし、
一日でも早く帰れるように頑張るから、、、
などと言って電話を切る。
毎日毎日、退院する日までそんな事が続いた。
 
病室の天井を見ながら、

「私は病気になることも、死ぬことさえできないんだ、、、」

と思うと涙があふれそうになったものだった。

退院すると、
一見とても元気に見える私はかなり損をしてしまった。

「元気」と錯覚した夫は、
私が元気だったころのように頼り切っている。
「大丈夫?」「無理するな」、、、の声が聞きたいんだけど~。

今日は情けなさも頂点に達してしまって、
とうとうお庭に逃げ出してしまった。
心を落ち着けようと、何も考えないで草を引く。

1時間もそうしていると、少し心が和んできて、周りの景色も目に入ってきた。

バラのみどりは美しく輝き、
大丈夫、大丈夫と言っているよう。
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一輪のコブシに慰められる。
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ヘンデル(つる)の、花と見まがうほどの朱色の新芽もかわいい。
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もう夕方だ。
夕ご飯の支度が待っている。
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バラ達に慰められて、
何事もなかったように家に入る。

私が生かされた意味について、時々考え込んでしまう。

(陽気な私だって、こんな風に落ち込むこともあるんデス)

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by dori3636 | 2015-03-26 18:13 | くも膜下出血&未破裂動脈瘤

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